皆さん、町中で接骨院を見かけることありませんか?
2018年のデータによると全国に接骨院は50077件あり、同年のコンビニの全国数が58340件を踏まえるとかなり多いことが分かります。
しかし、接骨院を利用したことない人はかなり多いです。利用したことない人に聞いてみると
「どういう時に利用していいかわからない」
「お年寄りが行く所だと思っているから」
「整形外科に行ってるから行く機会がない」
など色んな意見がありました。
そこで今回は接骨院について整形外科との違いから解説させていただきます。
接骨院について知らなかったり、誤った認知をしている人達に理解を深めて上手く活用していただきたいです。
今回のポイント
・接骨院とは何か?
・整形外科との違いは?
・接骨院をどういう時に行けばいい?
接骨院とは
接骨院とは厚生労働省が定める施術所の事を言い、「柔道整復師」という国家資格者が施術を行ないます。
柔道整復師については↓の記事に詳しく書いてあります。
呼び方は接骨院以外にも整骨院、ほねつぎと呼ばれるケースもあります。ですので、接骨院と整骨院は同じ意味です。しかし、整体は違うので気をつけてください。
整体は無資格でも名乗れるので誰でも整体師って名乗れちゃいます。
日常生活やスポーツ中などで怪我した時に病院同様、医療保険を使い治療を行います。
骨折、脱臼、捻挫、打撲、筋挫傷(肉離れ)などに対応しており、人間が本来持っている自然治癒力を最大限に引き出させる施術(治療)を行っています。
治療内容
主な治療は手技療法と物理療法になります。
手技療法とは機械を使わず手のみで行う治療の事を言います。
骨折や脱臼なら、正しい位置に骨を戻す整復のことを言います。筋肉の損傷なら、患部の負担を減らすための患部あるいは患部周辺の筋肉を緩めるマッサージなどがこれにあたります。
物理療法とは電気、超音波、熱(温冷)などの物理エネルギーを用いて治癒の促進を図る治療の事を言います。
症状によって使うエネルギーは変わってきます。例えば足首を捻挫した患者さんがいるとします。受傷してから3日間は炎症が強い時期なので炎症を鎮める為に熱(冷)エネルギーであるアイシングをして患部を冷却します。
受傷してから1週間以上経つと炎症は引きますが、動かしてなかったため足首周辺の筋肉が固くなり足関節の関節可動域が落ちてしまいます。それに対し電気エネルギーである低周波治療や熱(温)エネルギーである温熱療法で足首周りの筋を緩めて可動域を戻していきます。
保険適応について
接骨院では主に健康保険を使い治療を行います。しかし、どのような症状でも保険が使えるわけではありません。
健康保険適応 | 健康保険適応外 |
・骨折 ・脱臼 ・捻挫 ・打撲 ・挫傷(肉離れ) | ・スポーツによる筋疲労 ・慢性的な肩こりや腰痛 ・関節リウマチやヘルニアなど病気による痛み ・負傷日、負傷原因がはっきりとしない症状 ・同じ症状で整形外科あるいは別の接骨院を受診している場合 |
上記の通り接骨院では原因がはっきりしている怪我の場合のみ健康保険適応になります。それ以外は保険適応外になるのでそのような症状で受診する際は一度接骨院に相談してみましょう。
健康保険以外にも接骨院で使える保険が2つあります。
1つ目は自賠責保険です。自賠責保険とは自動車に必ずつけられる強制保険であり、交通事故で相手に怪我させてしまったりしたときに補償してくれる保険です。従って交通事故治療の時のみ、こちらの保険が使えます。
2つ目は労災保険です。労災保険とは従業員を1人以上雇っている事業所は加入しないといけない保険であり、業務中あるいは通勤途中での怪我の際使える保険です。
自賠責保険と労災保険は患者さんの窓口負担が0円のケースがほとんどです。しかし、接骨院によっては対応していない所もあるので使いたい際は一度確認しましょう。
接骨院と整形外科の違い
今まで読んでいただいて「あれ、内容聞く限り整形外科と一緒なの?」と感じた方もいるかもしれません。
ここでは接骨院と整形外科の違いについて解説します。
接骨院 | 整形外科 | |
医療資格者 | 柔道整復師 鍼灸師 | 医師 理学療法士 柔道整復師 |
治療内容 | 手技療法 物理療法 | 手技療法 物理療法 注射や手術などの観血的療法 投薬 |
画像診断 | △ | ○ |
診断書 | ✕ | ○ |
医療資格者
接骨院で治療してくれるのは柔道整復師です。鍼治療を行っている所では鍼灸師もいる場合があります。
整形外科ではそれぞれの資格によって役割分担が決まっています。
まずは整形外科に行き、問診や検査そして診断を下すのは医師が行います。その後のリハビリは理学療法士、柔道整復師が行います。 医師のサポートは看護師が行う整形外科もあります。
治療
接骨院では手技療法と物理療法のみですが、整形外科では注射や投薬ができます。理由としてこの2つの行為は医師しかできないからです。
注射は主に炎症を抑えるステロイド注射や、関節に対し負担軽減の為にヒアルロン酸注射が多いです。薬は痛み止めを処方や湿布が多いです。
手術も医師しかできない行為なので、総合病院など大きい病院の整形外科学では手術も可能です。
画像診断
整形外科ではレントゲン撮影やMRI撮影が可能です。この行為は医師と医師から指示を受けた放射線技師のみでしかできません。レントゲンでは骨折、脱臼の確認。MRIでは靭帯などの軟部組織損傷の確認ができます。
接骨院では画像診断ができなかったのですが、近年超音波検査(エコー検査)を行う所が増えてきました。超音波検査とは名前の通り、超音波を用いて体の内部をみていくものです。妊婦さんが赤ちゃんを確認するときにも使われています。
精度は少し劣りますが、放射線を当てて撮影するレントゲンと比べると超音波は無害なので、基礎疾患がある方などにも対応できます。
診断書
診断書を出せるのは医師のみとなっています。そのため、先程述べた自賠責保険や労災は診断書が必要になりますので、接骨院で治療を受けるにしても一度整形外科で診断書を書いてもらわないといけません。
接骨院を利用するケースとは
明らかに骨に異常がない時
接骨院では骨に対する症状(骨折、脱臼)も見れますが、その場合は一度整形外科に受診して画像診断を受け、医師から接骨院で治療する旨の同意をもらわないといけません。患者さんにとっては負担になります。
骨折の種類によっては接骨院では扱えない症状もあるので、明らかに骨に異常がある時は整形外科をおすすめします。
その反面、接骨院は筋や靭帯などの軟部組織損傷へのアプローチを強みにしている所が多いので、筋肉や関節を痛めた時には接骨院をおすすめします。
手厚く治療してもらいたい時
整形外科で治療を受けていた方にお話を聞いてみると
「電気当てて、湿布もらうだけだった」
「レントゲン撮って問題ないからとその後の治療方針とか言われなかった」
などの意見がありました。
整形外科は混み合っている印象が強い方は多いと思います。実際に整形外科は差はありますが患者さんが多く来院されるため、1人に掛けられる時間は多くありません。
症状によっては電気を当てて治療終了というケースもあるみたいです。
それに対し接骨院は、行える治療に限りがあるのでその分クオリティーを意識している所が多いです。そのため1人1人に対して手厚く治療してくれる為、しっかり治療してもらいたい方にはおすすめです。
最後に
接骨院について理解できましたでしょうか?
体のツラさを覚えている人は多いです。しかしどこに行けばいいか分からず症状を放置している人や整形外科に行ってるが変化なくもう治らないと思っている人。
そんな人に接骨院という所がどのような所か知っていただきたいです。
良い接骨院に出会うことができ症状が良くなり人生が変わったなんて人も見てきました。
良い接骨院の見分け方は↓を参考に!
選択肢に接骨院が入るような世の中になって欲しいです。