【背が伸びない?】成長期の子供がトレーニングするといけないのか?

色んなスポーツでは成長期である年齢の選手が活躍することが増えてきました。

  • 張本智和(卓球) 卓球ワールドツアーグランドファイナル優勝→15歳6ヶ月
  • 久保建英(サッカー) Jリーグ史上最年少得点→15歳10ヶ月
  • 玉井陸斗(飛び込み) 日本選手権優勝→12歳7ヶ月
  • 西矢椛(スケートボード) オリンピック日本歴代最年少金メダル→13歳11ヶ月

こういう活躍した同年代を見て、頑張ってスポーツに取り組む成長期の子達は多いはず。そんな中でこんな言葉は聞いたことありませんか?

「成長期の子供がトレーニングし過ぎるのは良くないらしいよ」

自分が学生の時にもこの言葉は聞いたことあり、今でも患者さんの親から聞かれることもあるのでこの言葉は今でも根付いているなと感じました。

しかし、なぜ成長期の子供がトレーニングしたらいけないといわれているのを知っている人は少ないと思います。さらにトレーニングしても大丈夫などという情報もあり混乱状態…


池田ウンパ

情報社会だからこそ起こる現象ですね


今日はっきりさせたいと思うので、今回は成長期の子供がトレーニングするのは良いのか悪いのかを解説します。

今回のポイント

・成長期の子供がトレーニングするのは良いのか悪いのか?
・なぜトレーニングしてはいけないと言われているのか?

目次

成長期とは

成長期とは身体が成長していく時期のことを示しており、大まかに生まれてから身長の伸びが止まるまでと言われています。特徴として男女でも差があり、男子は成長期が遅く女子は成長期が早いです。

池田ウンパ

小学校の時は女子に身長負けていたが、中学になってから逆転した経験した男子は多いはず!



更に成長期は一次、二次に分けることができます。

第一次成長期第二次成長期
年齢0〜4歳頃男子は10〜16歳頃
女子は8〜14歳頃
特徴新生児の時と比べると倍近く大きくなる緩やかに伸びていた身長が急に伸びてくる

第二次成長期は思春期とも被っており、身長のみならず心も成長していく期間となります。

要約すると、成長期は小学生から高校入学くらいだと認識していただいて大丈夫です。

成長期のトレーニングは問題あるのか?

結論から申しますと、適度なトレーニングなら問題ありません。むしろ適度な運動、トレーニングだと成長を促進するとも言われいます。

人が成長する時には成長ホルモンが必要です。成長ホルモンは脳にある下垂体というところから分泌されるホルモンであり、骨格や筋肉の成長を促進する作用があります。睡眠時に一番分泌されるのが特徴。

池田ウンパ

寝る子は育つというのはホントなんですねー

実は成長ホルモンは睡眠以外にも、食事や運動も分泌に関わりがあります。運動では普段から運動している人していない人ではホルモン分泌に差があるという研究結果も出ているくらいです。つまり適度な運動、トレーニングは成長ホルモン分泌を促進するため良いとされています。

ここで大事なのは「適度な」という点になります。この適度な強度以上のトレーニングをすることは問題です。世間で成長期のトレーニングがダメといわれているのはこれが原因でしょう。
では何故強度の高いトレーニングが良くないのか?

成長期での強度の高いトレーニングが悪い理由

世間で成長期のトレーニングが悪いと思われている理由を調べてみたら

トレーニングすると身長が伸びなくなる

という意見が多かったです。ですがこれは間違いで、トレーニングと身長の因果関係はないと言われています。なぜこのような意見が広まっているのかは謎ですが、強度の高いトレーニングが悪い本当の理由は

ケガのリスクが高まるからです。

ケガなら成長期関係なくトレーニングしたら高まるのではと考えの方もいると思いますが、成長期でのケガは下記2つに分けられます。

・誰でも起こりえるケガ(捻挫、肉離れなど)
・成長期ならではのケガ(骨端線骨折、骨端症)

つまりケガの種類も多い分、ケガのリスクが高くなっています。

成長期ならではのケガ

成長期には骨の両端に骨端線という所があります。骨端線は内部は軟骨でできており、成長ホルモンの働きで軟骨細胞を増殖させ、それにより骨は縦に伸びていきます。これにより身長が伸びていくというわけです。

そんな骨端線ですが軟骨なので骨より脆いのが特徴です。それもあり、強度の高いトレーニングを行った際に骨端線骨折のリスクがあります。腕、手首、足首などに多く、骨折すると成長を阻害してしまうので腕や足の左右差がうまれてしまうこともあります。


また骨端線に負担を積み重ねると骨端症といい、骨端線での炎症を起こす場合もあります。骨端症で多いのが踵に起こるシーバー病です。
シーバー病とは踵にある骨端核がアキレス腱や足底の筋肉によって引っ張られ炎症をおこすケガであり、ひどいと歩くのも大変になります。骨端症ではないですが大腿四頭筋に引っ張られ脛骨粗面(膝のお皿の下)の炎症をおこすオスグット病も成長期におこるケガです。




どちらも筋肉を使いすぎると起こるので、トレーニングのしすぎと関係はあります。

どの程度のトレーニングがいいのか?

では「適度な」トレーニングとはどのくらいかと言いますと重量を使わない自重の筋トレになります。裏を返すと、重量を使う筋トレをするとよくありません。


筋トレは負荷を掛けたほうが効率よく筋肉がつきます。これは筋肉がトレーニングで微細に損傷した際に、前回の負担に耐えれるようにと筋肉が強くなって回復するという特性からきています。
ですので効率よく鍛えるなら重りを使ってのトレーニングがいいのですが、成長期で負荷が大きいと筋緊張が強くなりすぎてしまい骨端線に負担がかかりやすくなります。


なのでトレーニングするなら腕立て、腹筋、スクワットなど自重でできるトレーニングやダッシュや水泳などの有酸素運動をおすすめします。

池田ウンパ

ジャンプ動作に関しては骨端線を刺激して成長促進する作用があるとも言われています。

しかし、やりすぎには注意が必要ですね。

最後に

今回は成長期のトレーニングの真実について解説させていただきました。

スポーツパフォーマンスを上げるためにはトレーニングは必要ですが、知識が大事になります。
このやり方や強度などの知識を理解していないとパフォーマンスを低下を招きますし、下手したらそのスポーツをできなくなる可能性もあります。

正しい知識をつけることが大事になります。

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