近年、運動をする人が増えてきています。理由として健康志向が高まったことによる健康目的の運動や、K-POPが流行していることにより韓国アイドルのような引き締まった体型を目指すことによる美容的な運動など様々です。
そんな運動ですがジムに行ったり、外に行ったりして行うことが面倒くさいと感じている人も多いです。
現に楽天インサイトの2020年の調査では13%程度の人が運動をしない理由として「場所や施設がないから」と答えています。
そんな中で、上記の理由+コロナの影響で不要な外出を避けつつ運動したい方たちにより家での運動が注目を浴びてきています。家なら好きな時間好きなペースで運動できるというメリットもありますからね。
しかし家での運動だと、ジムのように教えてくれるトレーナーさんやジム仲間がいないため何をしたら良いのか分からない人は多いです。実際私が接骨院で働いているときに患者さんからこのような質問をたくさんされてきました。
そこで今回は家での運動について解説していきます。なお、細かくお伝えしたいので下半身の運動にフォーカスを当てていきます。
今回のポイント
・家でできる運動にはどのくらい種類があるのか?
・道具を使うor使わないどちらが良いのか?
下半身の運動で使われる部位
運動するときには筋肉を使います。筋肉が伸び縮みしてくれることで動作を行うことができるからです。
しかし、動作によって使う筋肉も変わってきます。その特性を生かし、色んな動作の運動をすることが大事になります。
ある一定の動きだけの運動をするとその動作に使う筋肉だけを使ってしまいます。そうするとその筋肉だけ強く大きくなるのでバランスが悪くなるからです。バランスの悪さから別の場所に痛みがでるケースも少なくありません。
ここで下半身の運動で使われる主な筋肉を紹介いたします。
1,大臀筋
大殿筋はお尻にある中でも一番大きい筋肉です。
特徴として大腿骨(太もも)を後ろに引く作用があります。そのため歩行、階段、立ち上がりなどの動作の時に使われるので生活に必要不可欠な筋肉とも言えます。
大臀筋を鍛えるメリット
- 大きい筋肉なので鍛えて上げることによりお尻が引き締まりヒップアップ効果。
- 高齢者などには歩行や立ち上がりなどの基本動作の改善。
- ダッシュやジャンプなどにも作用しているためスポーツでのパフォーマンス向上。
- 姿勢への影響もあるので腰痛軽減。
2,大腿四頭筋
大腿四頭筋は太ももの前にある筋肉です。大腿四頭筋は大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋の4つを総称した呼び名であり股関節の屈曲、膝関節の伸展の作用があります。
特に膝関節と関係性が強い筋肉であり、スポーツ面やメディカル面で鍛えるケースが多いです。
大腿四頭筋を鍛えるメリット
- 大きい筋肉なので鍛えると代謝がアップしダイエット効果。
- 高齢者などには立ち上がり、階段など基本動作の改善。
- 膝関節の安定性が向上。
- ダッシュやジャンプなどにも作用しているためスポーツでのパフォーマンス向上。
3,大腿二頭筋
大腿二頭筋は太ももの裏にある筋肉です。
特徴として股関節を伸展、膝関節を屈曲の作用があります。ダッシュやジャンプなど激しい運動時に使用されることが多いため、肉離れなどのケガをしやすい場所でもあります。
大腿二頭筋を鍛えるメリット
- 大きい筋肉なので鍛えると代謝がアップしダイエット効果。
- 高齢者などには立ち上がり、階段など基本動作の改善。
- ダッシュやジャンプなどにも作用しているためスポーツでのパフォーマンス向上。
- ケガが多い場所なので筋力を上げケガのリスクの軽減。
4,下腿三頭筋
下腿三頭筋はふくらはぎにある筋肉です。 下腿三頭筋は腓腹筋内側、腓腹筋外側、ヒラメ筋の3つを総称した呼び名であり足関節を底屈、膝関節を屈曲する作用があります。
唯一、膝関節と足関節に働く筋肉であり、歩行への関与が高いのが特徴です。
下腿三頭筋を鍛えるメリット
- ふくらはぎの筋肉なので鍛えることで脚痩せ効果。
- 高齢者では、つま先を使う歩行ができるようになり転倒リスクの軽減。
- ダッシュやジャンプなどにも作用しているためスポーツでのパフォーマンス向上。
- 第二の心臓と言われているため、鍛えると血流の改善。
道具無しで行える運動 【難易度☆☆★】
難易度は一番低めで、この運動は高齢者などにオススメしたい程度の運動になります。
1,椅子からの立ち上がり
椅子からの立ち上がりと聞くと「運動になっているのか?」という方もいると思いますが、立ち上がりは大臀筋、大腿四頭筋、大腿二頭筋、下腿三頭筋を使う動作です。つまり回数をこなす事で、しっかりとした運動になります。
やり方
- まずは椅子に座ります。このときにソファーやベッドなどに座ると沈み込んでしまうため、必ずダイニングチェアやデスクチェアで行いましょう。
- 座った状態からゆっくり立ち上がりましょう。早く立ち上がると反動を使うため、ゆっくり立ち上がると運動効果が高いです。
この時、手は胸の前で組むか、体の前方に突き出しましょう。これだと立ち上がりができない方のみ膝の上に手を置いて行ってください。 - 立ち上がったらゆっくり座りこみましょう。ここもゆっくり行うことがポイントになります。
筋力が落ちている高齢者などは1日10回×3セットを行えると効果的になります。
もっと動ける人はセット数を増やして行ってください。
2,カーフレイズ
カーフレイズとは簡単に言うと「つま先立ち」です。つま先立ちは下腿三頭筋を使う動作であり、トレーニング効果はもちろんですが血流がよくなりむくみ改善や疲労軽減などの効果もあります。
やり方
- 立った状態で行います。高齢者など足腰に不安がある方は椅子に座ってやりましょう。
この時に肩幅くらいに足を広げ、つま先は正面を向けます。 - 1の状態ができたらゆっくりと踵を上げます。勢いつけてあげると、ふくらはぎがつることがあるのでゆっくり上げてください。
- 今度はゆっくり下げていきます。この時に踵は地面につけず、ギリギリ浮かせられる所で止めてください。
- 2~3を繰り返し行います。
つま先立ちした際に体がブレて転びそうになる人は壁や机に手を掛けた状態で行ってください。
回数は1日10回×3セットを行えると効果的になります。
3,もも上げ
もも上げは言葉の通り「太ももを上げる運動」を意味します。もも上げは大腿四頭筋を使う動作であり、膝に不安がある方にやって欲しい運動です。
やり方
- 立った状態で行います。高齢者など足腰に不安がある方は椅子に座ってやりましょう。
この時に肩幅くらいに足を広げ、つま先は正面を向けます。 - どちらの足からでも良いので、膝を曲げながら上げてください。この時に太ももを地面と平行にするまで上げることを意識しましょう。
あげるスピードは反動をつけずにゆっくり上げてください。 - ゆっくり下ろしたら、反対の足も同じように行いましょう。カウント両足行って1回とします。
スリッパや靴下の状態で行うと、滑って転倒のリスクもあるので素足で行うことをおすすめします。
回数は1日10回×3セットを行えると効果的になります。
道具無しで行える運動 【難易度☆★★】
日常動作などは問題なくでき、運動したいとおもっている方にオススメの難易度です。
1,階段昇降
階段昇降は階段の上り下りを繰り返すだけの運動ですが意外とハードです。階段昇降では大臀筋、大腿四頭筋、大腿二頭筋。下腿三頭筋と大事な筋肉全てを使う動作であり、階段昇降を毎日行うだけで脳卒中や心筋梗塞のリスクを下げられるという研究結果も出ているほど効果的な運動です。
やり方
- まずは階段か階段が無かったら脚立や台になるものを用意しましょう。
- 用意ができたらいつも階段を上るように段差を上がりましょう。この時の注意点は上半身は丸めずにまっすぐと綺麗な姿勢で行いましょう。
- 上ったら今度は階段なら向きを変え、脚立などの台ならそのまま前に段差を降りましょう。このときも姿勢はまっすぐを意識しましょう。
- この上り下りを繰り返し行ってください。
階段昇降は回数というよりは時間で考えて行えると良いです。最初は10分程度からスタートし、慣れてきたり10分で余裕が出てきたら20~30分行えると有酸素運動ですので脂肪燃焼効果や体重減少が見込めます。
有酸素運動とはウォーキング、サイクリング、水泳など長時間行える運動のことを言い、エネルギーとして酸素を使うのが特徴です。
そんな有酸素運動ですが、20~30以上行うと脂肪燃焼効果や体重減少や生活習慣病予防に働くとも言われています。
脚立を使ったら道具を使うことになりますね…
申し訳ございません。(笑)
2,スクワット(クォーター)
スクワットは健康目的や筋力アップのトレーニングとしても有名な運動の一つです。スクワットでは大臀筋、大腿二頭筋、大腿四頭筋、下腿三頭筋を使う動作であり、大きな筋肉を効果的に使うことにより代謝向上からのダイエット効果も見込めます。
今回はスクワットの中でも負荷が少なめのクォータースクワットをお伝えします。
やり方
- 立った状態で行います。この時に肩幅くらいに足を広げ、つま先は正面を向けます。
- 股関節と膝関節を曲げ、低い姿勢にしていきます。
膝の角度は45°を目安にしてください。
この時の注意点はお尻を後ろに下げるようなイメージで行ってください。目安として、曲げた膝がつま先より前に出ないように意識すると良いでしょう。 - 曲げた状態からゆっくりと元の姿勢に戻りましょう。
スクワットはフォームによっては膝を痛めるリスクもあるため痛みや違和感が出たらすぐにストップしましょう。回数は1日10回×3セットから回数を徐々に増やしていけると理想です。
3,片足カーフレイズ
片足カーフレイズは「片足で行うつま先立ち」のことを言います。片足カーフレイズは下腿三頭筋を使う動作であり、先程述べたカーフレイズより負担が大きくなり運動効果も高いです。
やり方
- 立った状態で行います。この時に肩幅くらいに足を広げ、つま先は正面を向けます。
- 片足した状態からつま先立ちをしてください。この時バランスを崩しやすいため、不安な方は壁や机など手を添えた状態で行いましょう。
このときの注意点は添えた手に力を入れないでください。腕の力を使うと運動効果が減少するため、手はあくまでも「添えるだけ」を意識しましょう。 - 今度はゆっくり下げていきます。この時に踵は地面につけず、ギリギリ浮かせられる所で止めてください。
- 2~3を繰り返し行います。
負担が大きいため、運動中や運動後に足がつってしまうこともあるため運動前後にストレッチをきちんと行ってください。回数は1日10回×3セットから回数を徐々に増やしていけると理想です。
道具無しで行える運動 【難易度★★★】
普段から動いていて、上記の運動では物足りない方にオススメの難易度です。
1, スクワット(ハーフ)
スクワットは健康目的や筋力アップのトレーニングとしても有名な運動の一つです。スクワットでは大臀筋、大腿二頭筋、大腿四頭筋、下腿三頭筋を使う動作であり、大きな筋肉を効果的に使うことにより代謝向上からのダイエット効果も見込めます。
今回はスクワットの中でも負荷が大きめのハーフスクワットをお伝えします。
やり方
- 立った状態で行います。この時に肩幅くらいに足を広げ、つま先は正面を向けます。
- 股関節と膝関節を曲げ、低い姿勢にしていきます。
膝の角度は90°を目安にしてください。
この時の注意点はお尻を後ろに下げるようなイメージで行ってください。目安として、曲げた膝がつま先より前に出ないように+太ももが地面と平行になるのを意識しましょう。 - 曲げた状態からゆっくりと元の姿勢に戻りましょう。
ハーフスクワットは強度が高いので、やり始めは筋肉痛が出ると思います。そういう時は毎日やろうと無理をせず、1日おきに行うようにしましょう。ケガするのが一番怖いですからね。
回数は1日10回×3セットから回数を徐々に増やしていけると理想です。
2, ジャンプ
ジャンプはとても運動効果が高いです。自分の体重を宙に浮かすというのは大臀筋、大腿四頭筋、大腿二頭筋、下腿三頭筋など様々な筋肉を使う動作であり、下半身だけではなく腹筋も使うのでお腹の引き締め効果もあります。
やり方
- 立った状態で行います。この時に肩幅くらいに足を広げ、つま先は正面を向けます。
腕の反動をつけてジャンプすると運動効果が減少するので、可能ならば腕は頭の上で組むなどしてください。 - 股関節と膝関節を少し曲げ、その状態から体を一直線にするイメージで真上にジャンプしてください。この時に最後つま先で地面を押し上げることで下腿三頭筋をより使うことができます。
今回の運動目的のジャンプでは高さはあまり気にしなくても大丈夫です。しっかりお腹から下半身を使う意識して取り組んでください。
ジャンプは瞬発的な動きでもあるので、ケガのリスクがあります。その為、つま先は地面から離れない状態でのジャンプでも問題ないです。
回数というよりは時間を意識して、30秒間のジャンプから少しずつ時間を伸ばしていければ理想的です。
ジャンプは、音が出やすいのでマンションの方や深夜帯など注意してやってください!
滑りづらく、防音性のヨガマットなどオススメします!
道具を使う運動
1,ダンベル
ダンベルと聞くと上半身のトレーニングで使うイメージがあります。しかし、ダンベルの重さを負荷にして下半身の運動効率をあげることもできるのです。
階段昇降、スクワット、ジャンプの際にダンベルは有効です。ダンベルを持ち、階段昇降やスクワットをやるだけで負荷が上がります。
しかし、どのくらいの重さのダンベルがいいか分からない方はいると思います。実際に重さの適正は個人差があるのでなんとも言えません。軽すぎても意味が無いですし、重すぎたらケガのリスクも高くなりますしね。
そこで私は可変式ダンベルをおすすめしたいです。
可変式ダンベルとは重さを調整できるダンベルのことを言います。可変式なら自分に合う重さも見つけられますし、慣れてきたら重さを増やして運動効率を高めることもできます。
可変式ダンベルは種類のよって重量の可変が違います。2kg刻みから4kg刻みのものまであるため、運動に慣れていない方には2kg刻み程度の細かく調整できるダンベルをオススメします。
2,自転車漕ぎ
自転車を漕ぐのは有酸素運動+大腿四頭筋をメインに大腿二頭筋、下腿三頭筋のトレーニング効果があります。
さらにもう一つの特徴が手軽にできるということです。
自転車乗ってペダルを漕ぐだけでいいですからね〜
運動を継続的に行うにあたって手軽さは重要です。1日30分自転車漕ぎするだけで充分です。
そんな自転車漕ぎは今や家でも簡単にできる時代です。
簡易的なただ漕ぐだけの物から、アプリと連携して運動量を計測できる物と幅広くあるため自分にあった物を購入し運動できるのが理想です。
3,トランポリン
トランポリンと聞くと体操選手が一回転などアクロバティックな動きをするイメージがあると思いますが、今やトランポリンは身近になっており、トランポリンエクササイズの施設や家庭用のトランポリンなどもあります。
トランポリンは反発力があるのでジャンプ動作を補助をしてくれます。ジャンプは大臀筋、大腿四頭筋、大腿二頭筋、下腿三頭筋など様々な筋肉を使う動作であり、下半身だけではなく腹筋も使うのでお腹の引き締め効果もあります。
家庭用のトランポリンでは、手すり付きの安全性の高いトランポリンや見た目がスタイリッシュで部屋に置いてあっても違和感ないものまで様々あります。
最後に
運動するのは年齢に関係なく大事なことです。 運動には生活習慣病の予防からダイエット効果、ストレスを軽減するなどメリットはたくさんあります。
そういう意味でも、家で行える運動を紹介しましたので是非家で行ってほしいです。
運動は継続が大事です。三日坊主にならないように継続できるレベルから始めてください。無理な運動してすぐに辞めてしますのは勿体ないですからね。