【足首の捻挫をした人や、繰り返している人へ】原因と対処法を伝授します。

スポーツ現場で足首の捻挫は多いです。日本スポーツ協会のデータによるとスポーツ外傷の約15%は足首の捻挫と言われています。


そんな足首の捻挫ですが意外にも日常生活でも起こり得ます。階段を踏み外した時、ヒールを履いてる時信号に間に合おうと小走りした時など原因は様々ですが私が勤務している接骨院にも日常生活での受傷の方は多く来院されます。

池田ウンパ

30~50代の主婦に多く、お年寄りにはあまり見かけませんね



捻挫は起こした時に正しい処置を取らないと、症状が長引いてしまうことがあります。長い人だと3ヶ月くらい痛みが続く人もいますがこれではスポーツしている人だと大変です。しっかり処置をいていかないといけません。


さらに足首の捻挫の厄介な所は癖づいてしまい再受傷してしまう所と言われています。確かに何度も捻挫を繰り返している人は沢山見てきました。

しかしこれは大きな間違いです。


繰り替えし捻挫をしている人は原因が解決していないからです。その原因を解決すれば癖づくなんてことはありません。しかしその原因を知らない人がほとんどなのが現実。

そこで今回は足首の捻挫について解説させていただきます。

今回のポイント

・捻挫したときの対処法
・捻挫を繰り返してしまう原因
・繰り返さないようにする方法

目次

捻挫とは

捻挫とは、関節が最大可動範囲以上に動いた際に組織を損傷することを言います。

簡単に言うと、まず膝や足首など関節は可動範囲が決まっています。

可動範囲とは自分の力で動かせる範囲を言います。
例えば足首を上げたり下げたりしていただくと分かりますが、これ以上動かせない限界点があると思います。それが最大可動範囲です。



最大可動範囲は柔軟性によって個人差はありますが、おおよそ決まっており足首を上げるのを背屈、下げるのを底屈といいますが背屈は20°、底屈は45°と言われています。

最大可動域の際に作用するのが筋肉や靭帯などの組織です。組織がストッパーの役割を果たし、それ以上関節が動かないように制限をかけます。しかし、その関節を捻って体重などが乗り最大可動域以上に関節が動いてしますと組織が損傷してしまいます。

足首の捻挫

足首の捻挫はどのような形で起こるかというと、足首が内側に入り込むように捻る形が多いです。

これを内反(内がえし)捻挫といい、足首の捻挫のほとんどを占めます。


外側に捻り込む外反(外返し)捻挫も存在します。外反捻挫はサッカーでシュートブロックした際に足首が外側に持っていかれ受傷するケースが多いです。

なぜ内反捻挫が多いのか?

内反捻挫が多いのには、体の構造が原因にあります。


上記の図を見てみると、外側にある腓骨は内側にある脛骨よりも長いです。
腓骨が長いことにより外反するときに腓骨が壁となっているため、外反が内反より可動範囲が狭くなっています。

池田ウンパ

つまり構造的に外反しづらいため、可動範囲の大きい内反での受傷が多いという訳なんです。

足首の捻挫の症状

捻挫した際に1番多いのが靭帯の損傷です。内反捻挫では外側の靭帯、外反捻挫では内側の靭帯を損傷します。

外側では内反時に1番ストレスのかかる前距腓靭帯が最も損傷しやすくその次に踵腓靭帯が損傷しやすいです。

捻挫は2つの靭帯の損傷度合いで程度を分類されています。

損傷Ⅰ度

前距腓靭帯のみの部分損傷

・前距腓靭帯の圧痛
・内出血(ー)
・若干の腫脹
・跛行(足を引きずって歩く)は見られない


損傷Ⅱ度

前距腓靭帯、踵腓靭帯の部分損傷

・前距腓靭帯、踵腓靭帯の圧痛
・内出血(+)
・腫脹
・跛行が見られる
・つま先立ち不可能

損傷Ⅲ度

前距腓靭帯もしくは踵腓靭帯の完全損傷

・圧痛
・内出血(++)
・強い腫脹
・跛行がみられる
・関節不安定感


損傷度合いのチェック方法

①前方引き出しテスト

アキレス腱と踵骨を抑えながら、足首を前方に引き出します。この際に緩さや動揺性が見られると前距腓靭帯か踵腓靭帯の損傷が疑われます。

このテストが陽性だと損傷Ⅱ度以上の可能性が高いです。

②内反ストレステスト

距骨と踵骨を抑えながら、足首を内反させます。この際に動揺性が見られると前距腓靭帯か踵腓靭帯の損傷が疑われます。

このテストが陽性だと損傷Ⅱ度以上の可能性が高いです。


捻挫をした時には

捻挫をした際に、まずしてほしいのはアイシングです。捻挫のようなケガの場合、炎症を起こしているので炎症を静めるために1番効果的なアイシングをして下さい。

詳しくは下記の記事を参考にして下さい。

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アイシングが終わったら次は足首の固定をします。足首を固定することにより、損傷した組織への負担を軽減できます。


固定ができたら医療機関に行きましょう。心配な方は整形外科でレントゲンを取ってもらい、骨折の有無を確認していただいたほうが安心しますしね。骨折してないと確信できる捻挫なら接骨院をおすすめします。

接骨院では治療から固定その後のケアまで見てくれるので早く捻挫を治したいのならば近くの接骨院を探して行ってみて下さい。

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捻挫が繰り返してしまう原因

捻挫は癖づいてしまうと誤った知識が広まっているのは原因を解決しないまま運動復帰などで動きはじめているからです。

その原因とは

・足関節のバランス能力の低下
・腓骨筋の筋力低下

の2つです。この2つの原因を解決しないと何回も捻挫を繰り返してしまいます。

①足関節のバランス能力の低下

捻挫すると痛みがあるため庇って生活をします。歩くときなども痛めた足で片足荷重などしなくなるので必然的に足関節のバランス能力が低下します。低下したままで運動復帰するとデコボコした所やジャンプの着地などで捻挫しやすいです。

バランス能力のチェック

①座布団か三つ折りにしたバスタオルを用意して下さい。

②その上に片足立ちをしてください。

③左右の足を比べた上で、不安定感やふらつきが強かったらバランス能力が低下しています。


②腓骨筋の筋力低下

腓骨筋とはスネの外側に付いている筋肉です。この筋肉の作用として足関節の外反があります。
つまり腓骨筋の筋力が低下していると外反させる機能が低下するため外反と逆の動きをする内反がしやすくなってしまうのです。

繰り返し捻挫している人は、腓骨筋の筋力が低下したまま運動復帰してる可能性が高いです。

繰り返さないためには

①バランス能力の向上

上記で説明した、座布団か三つ折りにしたバスタオルに片足でバランスよく立つ練習をしましょう。最初は、なかなか上手くできないですが慣れてくるとできるようになってきます。

それができるようになってきたら片足で立っている時、浮いている足の方で自分の名前を書いたり数字を1から10まで書いてみたりしてください。その方が難易度も上がるので良いトレーニングになります。

1日2~3セットできると理想です。


②腓骨筋の筋力アップ

腓骨筋の筋トレをしてあげるといいです。先程述べたように、腓骨筋は外反する作用があるので外反する動きをして腓骨筋を使っていきましょう。

メディマグより抜粋

最後に

捻挫について理解できましたでしょうか?

大抵の人は捻挫をしたら、整形外科でレントゲンを取り問題なければ湿布を貼って治そうとしますがそれではダメです。 特に運動している人は、今後を考えるときちんと原因を取り除き、捻挫を繰り返さないようにすることが大事です。

何回も捻挫して悩んでいる人、捻挫するのが怖くてずっとサポーターして生活している人には伝わることを願っています。

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