ドローインというトレーニングはどのような効果があるのか?やり方から注意点まで解説します。

トレーニングとは簡単にいうと体を鍛えることです。体を鍛えるといっても意味合いは人それぞれであります。

・マッチョになりたい男性
・引き締まった体を手に入れたい女性
・日常動作を支障なく行えるようにしたい高齢者

色んな目的がある中で、ジムやパーソナルトレーニングに行く人が増えています。


そんな中で「ドローイン」というトレーニングを知っていますか?

ドローインとは簡単に言うと腹筋のトレーニングなのですがドローインをしてもシックスパックになるわけではありません。シックスパックよりも奥の筋肉に作用するトレーニングになります。

更に医療的な観点でも効果があり、実際に患者さんにドローインの指導したことも沢山あります。



接骨院で働いている私がオススメしたい「ドローイン」。今回はこのドローインについて解説していきます。

今回のポイント

・ドローインとは?
・ドローインの効果は?
・ドローインはどういう人に適しているのか?

目次

ドローインとは?

ドローインとは上記で軽く述べていますが腹筋のトレーニングの事を言います。しかし、腹筋といってもお腹には沢山の筋肉があります。よくシックスパックと言われる筋肉は腹直筋といい一番表層にある筋肉です。

ドローインとは腹横筋という筋肉を鍛えるトレーニングのことを言います。


腹横筋は聞き馴染みのない筋肉だと思います。まずは腹横筋とは何かを理解していきましょう。

腹横筋


腹横筋とは腹筋の最深部にある筋肉(インナーマッスル)です。上記の図のように縦は肋骨から骨盤まで横は体を覆うように付着しており面積が多い筋肉となっております。そのため腹横筋は「筋肉のコルセット」とも言われています。

腹横筋の作用は

1.腹圧を高める。
2.腰部や骨盤を支持する。

が主と言われています。この中で大切なワードが腹腔内圧です。では腹腔内圧とは何なのか?




腹圧とは


腹圧とは腹腔内の圧の事です。腹腔とは上記の図にあるように肋骨下部から骨盤上部までのスペースのことを言います。このスペースには臓器や血管が通っています。

この腹腔内には圧力が存在します。この圧力は簡単に言うと風船のようなものでこの風船に空気が入っている状態が圧が高く風船に空気が抜けている状態を圧が低いと考えて下さい。

このように腹圧が高いと体の安定性も出て、体に負担のかかりづらい姿勢になります。一方で腹圧が低いと骨盤や腰椎も支えきれなくなり体に負担がかかる姿勢になります。上記右のような姿勢を出っ尻反り腰といい腰への負担が大きくなります。

つまり腹圧が低いと腰痛を起こすリスクが高くなってしまうのです。

腹横筋は最深部にある筋肉であるため腹腔に一番近いです。そのため腹圧に関与する重要な筋肉となります。

ドローインの効果

ドローインとは腹圧を高めます。従って腹圧を高めることによって起こることは大きく3つあります。

1.姿勢の安定することによる腰痛改善
2.体幹が強化されることによるスポーツでのパフォーマンス向上
3.腹圧が高まることによる便秘改善

1.姿勢の安定することによる腰痛改善

先程も述べましたが腹圧が低いと出っ尻反り腰になります。腰痛がある方でこのような姿勢があると、マッサージや鍼治療などを受け腰自体を緩めたとしても腰痛改善はしにくいでしょう。
特に慢性的な腰痛の方などは腹圧が低くなっている可能性が高く、ドローインを行い負担がかからない姿勢にすることで腰痛改善が見込めます。

2.体幹が強化されることによるスポーツでのパフォーマンス向上

腹圧が高くなると姿勢が良くなるとともに体の軸が安定します。体の軸が安定するとバランスも取りやすいため、野球のピッチャーなどでは投球フォームの安定性。サッカーやラグビーなどのコンタクトプレーの際に当たり負けない力が付きやすいです。

3.腹圧が高まることによる便秘改善

腹圧が高まることにより臓器の活動にも影響が出ます。排便する際にお腹にグッと力を入れるとスムーズに出る時があります。これは腹圧を高め、大腸の便の移動を促進させているからなのです。
従って腹圧を高めることにより便秘改善も見込めます。

ドローインのやり方

ドローインをやる際には上記の姿勢をとってもらいたいのですが、理由としてはこの姿勢が一番やりやすいからです。 正直ドローインは座位や立位などどの姿勢でも行うことが出来ます。

最初はこの姿勢で行い、ドローインの感覚を掴みましょう。

1,お腹を極限まで凹ませる

お腹に手を添えて、お腹を極限まで凹ませてください。お腹と背中をくっつけるイメージで行うとやりやすいです。

2,凹ました状態を30秒キープ

凹ました状態を30秒キープしてもらいたいのが1つだけ注意点があります。

それは息を止めてはいけません。

息を止めてしますと腹横筋のトレーニングにはなりません。必ず浅くでも良いので呼吸をしたままお腹を凹ませてください。

3,終了

え?これで終わり? と思った方もいると思いますがドローインはこれだけやれば良いのです。

理想は休憩30秒挟みながら3回ほど行うのを1セットとし1日3セット行えると効果的です。

ドローインのデメリット

ドローインのデメリットは大きく2つあります。

1,効果がすぐには出ない

ドローインはあくまでも腹横筋の筋力トレーニングです。筋力とはすぐに付くものではなく継続して初めて効果が出ますので、すぐには効果は出ません。

最低でも2ヶ月は継続して行えると効果が出てきますので三日坊主にならないように頑張りましょう。

2,ドローインのみのトレーニングだと腹圧への効果は少ない

ドローインは腹圧を高める効果があります。しかし、腹圧とは腹横筋以外にも作用する筋肉があり

・外腹斜筋
・内腹斜筋
・横隔膜
・骨盤底筋群

これらにもアプローチができないと腹圧を高めることは難しいです。

このデメリットの解決策はドローインと並行して「ブレーシング」を行うということです。

ブレーシングとは?

ブレーシングとは上記で述べている腹圧に関係する筋肉にアプローチするトレーニングになります。

やり方も簡単でドローインだとお腹を凹ませますが、ブレーシングではお腹を膨らませた状態で息を止めずにキープするというやり方です。

この2つのトレーニングを行えば腹圧を効率よく高めることができます。

ドローインをやるべき人とは?

ドローインを一番やってほしい人は腰痛がある人です。

特に慢性的な腰痛がある方や、ギックリ腰をたびたび発症してしまう人などは筋肉のコルセットである腹横筋を鍛えて、腰の安定性を出せると改善が見込めます。


体幹などへのアプローチを考えている方はドローイン+ブレーシングを行いましょう。

最後に

ドローインについて理解できましたでしょうか?

接骨院の先生をしている私の観点からしても、ドローインはオススメです。
手軽に行うこともできますし、やり方が簡単なため年配の方でも行える点ではメリットが多いです。

このような自己ケアはとても大事なので世間に浸透していくことを願っています。

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