【柔道整復師】学生時代に抱いてた理想と現実の違い

高校生2年生の時に柔道整復師になろうと決意し、実際に柔道整復師になってから4年経ちました。
資格を取る前は、自分で調べたり学校の先生の体験談などを聞き柔道整復師に対してのイメージが出来上がっていました。しかし、実際に働いてみてイメージと乖離している部分がいくつかありました。

そこで今回は、柔道整復師に対しての理想と現実の違いを書かせていただきます。

私のような理想を描いている方は多くいると思うので、今のうちに現実を知っておきましょう。

目次

理想① 骨折、脱臼の整復を完璧にできるようにしたい。

柔道整復師の特徴と言ったら、骨折や脱臼の整復を行えることです。医者と柔道整復師しかできないという希少性もあり整復に興味がある同級生は多くいました。
学校の授業では整復動画を視聴しどの方向に牽引するのか、どの方向に圧を入れるのかを学ぶと共に、整復するさえの心構えを教えていただきました。

卒業の際も、仕事始まったらまずは肘内障(一番整復が簡単と言われている疾患)から整復したいなと話していました。

現実① 整復する機会がほぼない

私は4年間接骨院に勤務していますが、整復どころか骨折、脱臼の患者さんが来たことすらありません。田舎の地域密着型の接骨院ではそのような患者さんも来ることがあるそうですが、普通の所では中々来ません。整形外科に勤務している友達に聞いてみましたが、指の脱臼や手首の骨折が数名だけでした。

なぜ整復する機会がほぼないのか考えてみた所、まず骨折や脱臼は箇所にもよりますが激しい痛みを伴います。そのような場合ほとんどの方が取る行動は救急車を呼ぶことです。救急車は大きい病院へ向かうので柔道整復師が働ける範囲外となります。従って、骨折や脱臼に遭遇する機会が少なくなってしまいます。


実際私はその現実を受け入れ、捻挫や肉離れなど軟部組織をきちんと対応できるよう日々努力しています。接骨院には軟部組織損傷の方は沢山いらっしゃいますからね。

どうしても整復したい方は、トレーナー活動をおすすめします。スポーツ現場では怪我が多いのでその中で整復する機会も必然的に増えるからです。しかし、現場での対応一つでその選手の今後に左右するので、整復できる範囲内かどうかを見分ける知識が必要になるのでしっかり勉強しましょう。

理想② 鍼灸の資格無しで柔道整復師のみで今後やっていく。

柔道整復師と比較されやすい鍼灸、周りの同級生でも卒業後に鍼灸の専門学校に行く人はちらほらいました。しかし私は鍼灸を取るつもりは全く無かったです。理由として

・鍼自体に怖さがあった
・鍼=東洋医学のイメージがあり、東洋医学を信用していなかった
・将来の目標としての開業には柔道整復師があれば問題ないから

と様々あり今後は柔道整復師1本でやっていこうと考えていました。

現実② 鍼灸の資格が欲しい。


就職して1年経った頃には、鍼灸の資格が欲しくなりました(笑)
これまで鍼灸についての知識が全くありませんでしたが、職場にいる鍼灸師の先輩の治療や鍼の効果についてのお話を聞かせていただき鍼への理解度が高まりました。

鍼自体に怖さがあった

私が注射など鍼を打たれるのが苦手なため怖さがあったのもありますし、ニュースを見ているとプロ野球選手への鍼治療ミスなど怖い情報を多く耳にしていたため怖さがありました。

しかし鍼灸師の治療を見させていただき、ちゃんとした治療をしていればミスなんて起こるわけがないということを実感しました。触診から鍼を抜くまで丁寧に行っているのを見てメディアで得た怖さは消えました。
鍼が打たれるのも何回も打ってもらい慣れてきました(笑)怖さは0です!

鍼=東洋医学のイメージがあり、東洋医学を信用していなかった

結論から申しますと今でも東洋医学は信用していません。私に東洋医学の知識が無いのもありますが、経絡やツボなど理論的に解説できないものはどうしても疑ってしまいます。

しかし鍼灸師の方と出会い、鍼治療は東洋医学だけではなく必要な筋肉や組織に打ち治療していく西洋医学的治療もあるということを知りました。西洋医学なら治療も理論的で患者さんにも説明しやすく理解していただけるので良いと思いました。

将来の目標としての開業には柔道整復師があれば問題ないから

接骨院の開業や保険の取り扱いには柔道整復師の資格があれば行えるので、わざわざ鍼灸の資格を取る費用や時間を考えたら必要ないなと思っていました。

しかし接骨院で働いてみて、鍼を打てることにより治療の幅が広がるのと共に治療効果が非常に高いことに気づきました。開業して患者さんが院に来てくれるかが一番大事になってきます。そこで必要なのは「いかに治せるか」そのためには治療の幅もそうですし治療効果がないと治せません。長く自分の院を持つには鍼の資格は必要と感じました。

理想③ 経験積んで早く開業したい

将来的に開業を目指し、柔道整復師の学校に通い知識は学校で得たので、後は現場に出て経験積んで周りの人達より早く開業して自分の好きなように治療をしていきたいと思っており、学生時代から経営学を学び開業へ向け準備していました。

現実③ 開業は焦らず実力を付けてから

開業はそんなに甘くない、働いてからすごく実感してます。
私はありがたいことに今の会社で、治療技術を学ばせていただき症状を改善していく力はある程度身につきました。しかし他の知識や力を付けていかないと、治せるだけでは開業しても成功しません。

開業に必要だと現在の自分が感じているのは、コミュニケーション能力保険業務の完璧さです。

コミュニケーション能力は場合によって、治療技術よりも大事な場面が多いと思います。人と人とで成り立つ接骨院には信頼関係が重要です。コミュニケーション能力があり信頼関係が築くことができると、患者さんに困った時に頼ってもらったり知人を院に紹介してくれたりしてくれます。元々の性格も関与してきますがコミュニケーション能力は絶対上げたほうがいいです。


保険業務はシビアです。少しでも間違えたり、不正を行ってしまうと保険を扱えなくなるケースがあります。開業したら頼れる人がいないので勤務している接骨院で学んでおきたいです。保険といっても健康保険以外にも民間保険や自賠責保険など種類も多いので全て完璧にして開業できるといいです。

最後に

上記で述べたように、学生時代の理想と社会人になっての現実では違う所がいくつかありました。しかし、一つ言えるのがこの仕事についたことに後悔は一切していません。
何事も理想通りに行くほど人生は甘くないと思ってますし、患者さんを治せるということには変わりないので現実の中で理想の自分 に向かい治療家として成長していきたいです。

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